交通事故による運転者の刑事責任

自動車を運転している最中に誤って交通事故を起こしてしまい、他人の建造物を破損(道路交通法の業務上(重過失)建造物損害罪=物損事故)したり、人を死傷(警報の自動車運転過失致死傷罪=人身事故)させてしまうと犯罪が成立をします。

 

運転者は刑事事件を負わされることとなり、処罰されます。

 

 

建造物を破壊すると、道路交通法で処罰される

自動車を運転している者が、運転に必要な注意を怠り、誤って他人のものを破壊してしまう交通事故を起こした場合(物損事故)、破壊をした物が建造物なら、道路交通法違反罪によって処罰されます。

 

また運転をしていた者が、業務上必要な注意を怠り、重大な過失によって他人の建造物を破壊してしまうと、道路交通法上の業務上(重過失)建造物損壊罪になり、6ヶ月以下の禁錮、または10万円以下の罰金に処せられます。(道交法116条)

 

 

人を死傷させた場合は、刑法で罰せられます

自動車を運転している者が、運転に必要な注意を怠り、それによって交通事故を起こして人を死傷させた場合(人身事故)、刑法の自動車運転過失致死傷罪になります。

 

7年以下の懲役か禁錮、または100万円以下の罰金に処せられます。

 

この時、交通事故を引き起こしたことで人を負傷させてしまうと「自動車運転過失傷害罪」が、人を死亡させると「自動車運転過失致死傷罪」が成立をします。

 

 

道交法違反と自動車運転過失致死傷罪の関係

Aさんが酒気帯び運転をして交通事故を起こし、Bさんを負傷させてしまった場合、Aさんの刑事責任は以下のようになります。

 

酒気帯び運転行為というのは、

 

「道路交通法117条の2の2号第1号」

 

違反となり、3万円以下の懲役、または50万円以下の罰金になります。

 

自動車を運転していてBさんを負傷させると、刑法の自動車運転過失傷害罪になり、7年以下の懲役、または禁錮、もしくは100万円以下の罰金に処せられることとなっています。

 

この場合ですが、2つの犯罪が成立をすることになります。

 

刑法上の規定に基づいて併合処理をして、重い方の自動車運転過失傷害罪の刑罰(犯情悪質な事案になるので、通常懲役が選択されます)を加え、懲役10年の範囲内で処断されます。

 

このような酒気帯び運転の他にも、酒酔い運転、無免許運転、事故後の救護などの処置義務違反、報告義務違反(ひき逃げ行為)などの悪質な道路交通法違反罪についても、刑法の自動車運転過失致死傷罪と併合して重く処罰されます。

 

刑罰ですが、どれも懲役刑が適用されます。

 

 

刑法第208条の2

平成13年11月に刑法が改正され、「危険運転致死傷罪」(208条の2)が新設しました。

 

これにより、罰則が大幅に強化されました。(同年の12月25日より施行)

 

その内容がこちら。

 

  1. アルコールまたは薬物の影響によって、正常に運転をすることが困難な状況で自動車を運転し、それによって人を負傷させた場合は、15年以下の懲役、人を死亡させた場合は1年以上の有期懲役(懲役20年)になります。また、進行を制御することが難しい高速度、または進行を制御する技能がない状態で自動車を運転して人を死傷させた場合は同様です。
  2. 人や車の通行を妨害する目的で、走行している車の直前に侵入をして、通行中の人や車に接近をして、重大な交通の危険性が生まれるような速度で運転をし、人を死傷させてしまった場合は、上記と同じ刑罰となります。赤信号やそれに相当する信号を無視し、重大な交通の危険性が生じる速度で車を運転し、人を死傷させた場合も同様になります。

 

参考サイト

交通事故の刑事責任とはどんなものですか?